嵐山吉兆

お料理はもちろんですが、建築、室礼も最上級の空間です。

節分の頃に訪れたので、冬の松葉敷きが施されていて、お庭からも季節を感じます。

嵐山吉兆には、母屋と離れにそれぞれ趣が異なったお庭がいくつかありますが、私達は待幸亭という所に通して頂きました。

待幸亭のお庭は、一休寺型の石燈籠をひとつ配した、とてもシンプルな形の庭。

部屋の中から眺めた姿は雪見障子によって、背景の御簾と燈籠だけの景色が強調されています。

嵐山吉兆のお庭は、それぞれが違う趣を見せるのが凄いところだと思います。

花鳥風月みな料理なり。

という言葉を創業者の湯木貞一さんは遺したそうですが、茶の湯、古美術を含めた本物の「数寄のこころ」を存分に堪能させて頂いた、本当に貴重な時間でした。

この記事を書いた人

北中祐介

北中祐介

造園家。1978年生まれ。三重県伊賀市出身。
夫婦で営む北中植物商店の「庭部門」を担当。
東京都三鷹市・武蔵野市を中心とした、東京近郊のお庭の手入れ、雑木を使った自然風の庭づくり、また戸建住宅や店舗などの外構設計、施行、管理を行っております。野山の木を使って庭づくりをしています。お庭のことならお気軽にご相談ください。